KANG SEUNG YOON

久々に「こういう音楽」が出た。耳を刺激せず、歌詞を吟味するようになるロックバラード。スピード競争に余念がない多くの最新自動車の間に、一台の素敵な自転車が割り込んできた感じだ。

速くもなく、華やかでもないが、ずっと聴きたくなる歌が、YOONの声を通じて登場したのだ。『IT　RAINS』というタイトルのように、雨の日に傘の下で聴きたい。そうすると、雨のように涙を流した悲しい記憶が思い浮かぶ。この蒸し暑い夏というのに。それがYOONが持つ声の力だ。悲しいメロディや歌詞を力強く歌う。悲しいふりもせず、ありのまま叫ぶ。そのため、もっと悲しくて、より長く聴ける。メロディと歌詞だけで心を動く歌。それが『IT　RAINS』という音楽の特徴であり、すべてだ。



YOONはどこに向かっているのか。　



YGとYOON。YOONが披露するYGのスタイルはとは何なのか。どんな音楽になるのか。大衆は知りたかった。そして、最初に公開された曲が『IT　RAINS』。悲しい歌詞のロックバラード曲だ。YG特有の色があまり感じられない。YOONのみが感じられる。嵐の前のように、静かにその始まりを知らせたのだ。これからYOONはやることが多い。「生まれつきの芸能人」という修飾語のように、YGはYOONにやらせたいことが多い。YOONは、１stシングルを発表し、再び『WIN』というバトルオーディションに出演する。また、オーディションなのか、とYOONには晴天の霹靂のようなことかもしれない。しかし、今回は少し違う。YOON自らも意欲を燃やしている。今回のオーディションで、YOONは自分のすべてをアピールする予定だ。歌、ダンス、ビートボックスまで、苦楽を共にした練習生たちとともに、これまで磨いてきたすべての実力を見せてくれる計画だ。今回の番組で、YOONに重要なのは成敗ではなく、大衆に認めてもらうことだ。純粋で才能あふれるYOON。彼が望むように、いつも謙遜して実力を持つアーティストになってほしい。